笑いプロジェクト

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笑えば命の泉わく

 私の恩師 井上宏先生の言葉。

「指圧の心は母心 押せば生命の泉湧く」指圧の創始者 浪越徳治さんの言葉をもとに、先生が作られた言葉。

 

 先日ワッハ上方での井上宏先生の講義。少しお耳は遠くなられたものの、語る言葉は深く新しく、内容もウィットにとんで飽きさせない。きちんと場の空気をよんで語りはる一時間は、「年いくと喉が渇いて」とお茶を飲まれる間も絶妙にはさんで、いつの間にか夢中になる。始まったとたんに舟漕いでたおじさんが、途中から身を乗り出して聞き出したほどだ。

 

 人間、年齢と共に衰えゆく五感の中で、味覚だけは経験の元に発達していくと聞いたことがある。しゃべる力、人の心をとらえる語りも、そんなものなのかもしれない。経験と積み重ねた知識が折り重なって、聞く人の心を引き寄せる魅力という力になっていくのかもしれない。六代目松鶴の往年の高座を思い出す。ネタは相撲場風景だった。言葉は不明瞭で、正直何をいうてるのかわからなかったが、その場の空気に酔いしれた。その気は今でも体が覚えてる。集まった人たちの「松鶴が好き」という気持ちが、その場の空気をつくりあげていた。

 井上先生が講義でまず語られたのが「寄席の空気」。寄席という場は、大声出して笑っても許される空気に満ちている。笑うことでこの空気が、全身に波動を起こし、笑えてくる。最後にはなんで笑ってるのかわからんほど笑ってしまう。

落語は、高座の演者とお客さんで作るものとも言われている。漫才も演芸もそうだろう。受け入れて笑って笑わせて、そのやりとりで醸成されていく空気。この空気に浸りにいくのが寄席だ。

 

 理屈ではないから、空気だから、行かないとわからないのかもしれない。

あくまでも空気だから、老若男女、経験してみてほしい。演芸場や寄席の会場でなくてもいい。まちの寄り合いや、大道芸や、笑いで一体感の空気を醸成している場は身近にあるはず。

 

 このすてきな空間、時間を、人生の中でたくさん味わってほしい。だからお子たちにその機会を作ってあげれたらなぁと思っている。

 

 井上先生が講演で語られた、笑いの前・最中・後のお話は、また今度。

 

商店街アドバイザー

 

 

堀 登志子