私のセミナーは一方的な講義だけでなく、会場の皆さんも頭や体を使って一緒に楽しく学んでいただく演習方式を採用しています。 

ロータリーやライオンズクラブなど経営者の勉強会に招かれることがあります。いつも関心するのは、多くの皆さんが積極的にセミナーでの課題に取り組んでいただくことです。周りの人たちとのハイタッチや、二人で向かい合っての「おもしろ体操」などを楽しく愉快に、かつまじめに取り組んでおられます。

 私の大学でも笑いに関する集中講義を開催していますが、最初のうちは、ほとんどの学生がお互いの顔色をうかがいながらしぶしぶ課題に対応しています。そこで、受講している学生達に、上記の経営者の態度を紹介し、「社会人になったら気分が乗らなくても、恥ずかしくても、命じられた仕事はやらなければならないんだ。経営者は、どうせやるなら積極的に取り組んだ方が楽しいと考えて実行しているんだよ。」と説明し、「感性のイエス」を全員で実行します。

「感性のイエス」とは、名前を呼ばれて返事をするだけの課題ですが、いかに楽しく元気に返事をするかをパフォーマンスするものです。最初に具体例をやってみせることで、大きな声だけでなく、その場に立ち上がったり、手を大きく振ってみたりと、全員が競い合うようになるのです。もちろん、講師として盛り上げる演出は欠かせません。

こんな簡単なことからでも、研修のムードを明るく積極的なものに変えていくことがはできるのです。新入社員研修や管理職研修などの明るい場づくりに、ご検討いただいてはいかがでしょうか。

広島経済大学教授　山本公平